アロハ!びる診療所(@biru_shinryoujo)です。
今回は、急性期病棟で働く男性看護師4年目
びる診療所が看護師を目指した理由と4年働いて実際にどうなのかというお話。
これから、看護師を目指したいという方は勿論、全ての人に役立つ内容だと思います。
男なのになんで看護師?
男性看護師って多いの?
たらこ君男が看護師なんて、似合わないよなあ?
紅子さん昔はそういう考えもあったみたいだけど、今は増えているみたいよ?
厚生労働省によると、2018年末に就業していた看護師は121万8606人。そのうち男性看護師の割合は全体で7.8%。
この10年で男性看護師は倍増し、積極的に採用する病院も増えてきています。
2021年はコロナウィルスの蔓延があり、より医療従事者、中でも看護師の需要は、更に求められるようになってきています。
急性期病院である、僕の病院でも毎年、男性看護師が増えている印象です。入社時は、スッキリと使えていた男子更衣室が、年々窮屈にムサッとしたオス感がでてきました。
統計調査の実態、現場の温度感のどちらからも男性看護師という働き方が増えており、定着してきたと言えます。
イケてるマーケットへの投資
資本(お金を生み出す元になるもの)には
・金融資本(現金・株式など)
・人的資本(本人の知識・技術・健康など)
の2つの資本があると言われています。
中でも就職をするということは、人的資本に投資をすると言うことです。
イケてる企業の株を買えば、その企業の業績が上がることで株を買ったときよりも高く売れる可能性が考えられます。
しかし、イケていない企業の株を買えば、業績悪化に伴い、株もまた紙切れとなり損切りせざるを得なくなります。
就職もまたしかり。イケている企業に就職すれば、上り調子であるため、就職しやすく、辞めさせられにくい。給与も増える可能性だってあります。
しかし、イケていない企業に就職すれば、リストラや減給、ボーナスカットなどネガティブなイベントと向き合わなければならない可能性があります。
現在、少子高齢化が進む中で約3.5人に1人は高齢者となっています。この現状の中では、医療・介護といったジャンルは、利用者が増える可能性を秘めたイケてるマーケットと言えるでしょう。
びる診療所実際に昨年は、コロナウイルスの蔓延と日頃の患者数の増加に伴い、臨時ボーナスを手にすることができました。
経済の景気に動かされにくいのも、医療・介護ジャンルの強みでもあります。
看護師だけに与えられる報酬
たらこ君そんなこと言っても、看護師の仕事って大変だし、ブラックなんだよね?
紅子さんお金を貰ったって人のシモの世話をするなんて、私にはできないわ。
確かに仕事の内容については、大変であったり、人間関係のトラブルもある場合もあります。しかし、僕が何よりも看護師をしていてよかったと思うのは、
患者さんから直接、感謝の気持ちを伝えられることがあるからです。
“ありがとう”とは、”有ることが難しい状態”のことをいいます。しかし、普段何気なく、当たり前に”ありがとう”という言葉を使っていませんか?
因みに”ありがとう”の反対の言葉は、当たり前です。そうあることは容易で価値がないことを指します。
どんな仕事をしてもかけられる言葉、”ありがとう”ですが、当たり前に合言葉のようにかけられる仕事が大半でしょう。
しかし、患者さんにとって看護師が居ないと、そうあることは本当に難しいことなのです。
歩くにしても、ご飯を食べるにしても、トイレに行くにしても、寝返りを打つにしても、看護師がサポートをすることでクリアできる場面が山程あります。
そこで使われる”ありがとう”は、どんな場所で使われる”ありがとう”よりも貴重で、どんなにお金を払っても簡単に手に入れることができないものでもあるのです。
この報酬があるからこそ、看護師は今日も一日頑張ろうという力が漲るのです。
プライベートで役立つ知識
たらこ君看護師って医者じゃないんだから、別に医療について詳しいわけじゃないんだよね?
看護師は、国家資格です。その国家資格の受験科目の中には、解剖生理学、病態生理学など医師国家資格にも含まれるものも学ばなければなりません。
紅子さんお医者さんと一緒の勉強!?そんなの私にはできっこない。
確かに、医師国家資格と共通する点はありますが、看護師に関しては薬の効果や細胞の働きなど医療の奥深い部分を知識として求められることは、医師と比べると格段に少ないです。
しかしながら、生活のする中で、自分や周りの人々が掛かった病気や怪我についての基本的な対処法や知識は網羅的に学ぶことができます。
例えば、お父さんやお母さんが夜中に具合が悪くなってしまった場合や旅行などで怪我をしてしまった際。医師ではないので診断することはできませんが、勉強した知識を元にアセスメント(予測)をして、その場を冷静に対処することができます。
そして何よりも、あなたがいることで周りの人の不安を半減させることができます。
びる診療所は、祖父がお腹の調子が悪く、通じも排ガスも無く、気持ち悪さが襲う状況の中で
びる診療所これってイレウス(腸閉塞)の症状と似ているなあ。
とアセスメント(予測)し、絶飲食を勧めてすぐに病院に連れていったところ、見事に予想が的中。祖父はスムーズに治療を受けることができました。
このように、プライベートや身近の人の役に立つ知識を看護師を目ざすことで身につけることができるのも魅力のひとつです。
広がる多彩な選択肢
たらこ君僕は、看護師になったからにはもっと技術をつけて更に成長したいなあ!
紅子さん私は少ししたら一度仕事を辞めて、家のことが落ち着いたらもう一度働きたいわ。
看護師は、経験を積み上げ技術を育てることで、専門看護師といったプロフェッショナルの道も看護師長などといった管理職の道にも進むことができます。
また、女性中心の仕事であった歴史の名残もあり離職(職を離れること)に対する、周りの抵抗は他の職種と比べると少ない印象です。
再就職するのもスムーズに就職先が見つかることも多く、他の可能性を伸ばすための時間を作り出すこともできます。
今後の注意点
たらこ君すぐに辞めても、次の就職も見つけやすいのはいいことだね!ならまあ、本気になってやらなくてもいいよね。
今まで話してきたように、看護師は常に必要に迫られており、再就職もしやすいのが現状です。しかし一番の懸念点は、男性看護師が増えているということ。
女性のライフイベントは、結婚・出産・子育て。必ず仕事を離れるか、休みを取らなければ対応しきれない状況に陥る場合があります。
一方、男性は同様のライフイベントであっても、女性が働けない分、働かなくてはならない状況に陥ります。
男性看護師が増えることは、業務にとってはいいことではありますが、ライバルにとっては一生働きつづける働き続ける(やめない)人が増えたということになります。
つまり今後は、看護師もまた他の職種と同じく辞める人が少ないために、新しく働く人を雇いにくい状況が訪れることが予測されます。
紅子さんなら、ネガティブな場面が訪れてたとしても会社が欲しがる人材に育たないといけないわね。
自分の価値観に向き合い、様々な選択肢を考慮することは大切なことです。
その中で目の前の出来ることに集中し、技術や知識を伸ばしていくことが、ネガティブな場面に対する唯一の対策です。
まとめ
今回は、男性看護師の現状と魅力、そして今後の注意点についてのお話でした。
男性看護師は、増えている
・統計調査で10年で倍の人数に。
・現役看護師がみた肌感覚も増加傾向。
医療・介護はイケてるマーケット
・高齢者が増える現状。感染症などのイベントなど医療・介護が必要とされることが多い。
・景気に動かされないのも魅力のひとつ
有難うは最大の報酬
・当たり前に伝えられる”ありがとう”ではない、有り難いという気持ちがこもった貴重な”ありがとう”は何者にも変えられない看護師の原動力
プライベートでも使える看護知識
・身近の人に役立つ知識を得ることができる
・もしもの時に冷静に対応できる
選択肢が豊富
・プロフェッショナルや管理職を目指すも良し
・離職して新たな可能性を伸ばすも良し
注意すべきこと
・男性看護が増えると辞める人が少なくなる
・再就職しにくい状況がいつかは来る
・目の前のできることに集中し、技術や知識を育てて対策することが大切
看護師は、様々な選択肢を考えることができる、自分にも周りの人々にとっても、やりがいのある仕事です。
どんな仕事も良い状況のときもあれば、悪い状況のときもあります。看護師もまたしかり。
落ち着いて考えることが出来る”良い状況”のうちに、いつか来るであろう”悪い状況”に陥った場合に取るべき行動について考えておくことが大切です。
どんな仕事も大変ですが5月もヘタることなく、夏に向けて強気で行きましょう!
人生は冒険だ。今日も健康に!
では、また!